どうもギークです。
2022年11月にPower Apps ポータルが正式にPower Pages へリブランドされ、かつプラットフォームもかなり開発しやすくアップデートされました。
ライセンスはPower Apps ポータルの時から少々難解でしたが、ややシンプル、ライトユースにも対応しやすい価格に改定されましたのでご紹介をしたいと思います。
個人的に文章よりも一番わかり易いと思っている、表形式でご説明を進めさせていただきます。
目次
他のライセンス
他のPower Platform のライセンスを別記事で説明しております。
Power Pages とは?
Power Pages はDataverse をデータベースとした本格的なビジネスデータ統合のローコード外部向けWebサイト開発プラットフォームです。
提供開始されたばかりと合って、まだまだ馴染みにくいライセンス形態をわかりやすく一覧にしましたのでご参考いただければ幸いです。
正式なライセンスガイドはこちらにありますのでご確認ください。
ライセンス早見表
まず大きな考え方として、アクティブユーザー数がどれほどになるのかを見積もるのを事前に行うか、従量課金方式のでいくかの2種類があります。
- 事前想定形式(サブスクリプション)と従量課金方式の2種類があり、その中に認証や匿名ユーザかという区分けがあります。
- サブスクリプション形式ではユーザ数に応じてボリューム割引 (Tier 1-3)があります。
次にユーザの認証形式による課金形態の違いがあります。
- 認証ユーザ (Azure AD認証、Microsoft アカウント、Google 認証等の認証プロバイダにより認証したユーザ)が月間1回でもアクセスするとWebサイトごとに以下の料金が発生します。
- 匿名ユーザの特定はクッキーを利用してユニークユーザーかどうかを判定しているので、別デバイスからのアクセスやブラウザ変更、クッキー削除等はすべて別ユーザとして判定されます。こちらも月間1アクセスでもあると課金対象となります。
たとえば、Power Pages で月 5,500 人の認証済みユーザーが 1 つの Web サイトへアクセスできるようにする場合、Power Pages 認証済みユーザー用キャパシティ パックを Tier 1 価格で 55 個購入できます。
たとえば、Power Pages で月 20,000 人の匿名ユーザーが 1 つの Web サイトへアクセスできるようにする場合、Power Pages 匿名ユーザー用キャパシティ パックを Tier 2 価格で 40 個購入できます。
私の解釈も入っていますのであくまで非公式なものだとご理解ください。
Power Pages のライセンスの購入形式
購入形式 | 事前想定形式 (サブスクリプション) *1 | 従量課金方式 (Azure サブスクリプションに紐付け) | ||
認証ユーザー | 匿名ユーザー | 認証ユーザー | 匿名ユーザー | |
最小購入単位(容量パック) | 1パック = 100ユーザ | 1パック = 500ユーザ | なし | なし |
【Tier 1】 100ユーザ以上の価格 |
1パック〜99パック購入 →100~9,900ユーザ25,000円/100ユーザ/月 |
1パック〜19パック購入 →100~9,500ユーザ9,375円/500ユーザ/月 |
435円/ユーザ/月 | 33円/ユーザ/月 |
【Tier 2】 10,000ユーザ以上の価格 |
100パック〜999パック購入 →10,000~99,900ユーザ9,375円/100ユーザ/月例) 10,000ユーザ: 815,400円/月 |
20パック〜199パック購入 →10,000~99,500ユーザ4,688円/500ユーザ/月例) 10,000ユーザ: 81,540円/月 |
||
【Tier 3】 100,000ユーザ以上の価格 |
1,000パック以上購入6,250円/100ユーザ/月例) 100,000ユーザ: 5,436,000円/月 |
200パック以上購入3,125円/500ユーザ/月例) 100,000ユーザ: 543,600円/月 |
||
テナントごとの Dataverse ストレージ |
5 GB | 5 GB | なし (環境ごとに1GBの容量提供) |
なし (環境ごとに1GBの容量提供) |
ユーザーごとの Dataverse ストレージ |
20 MB | 1 MB | なし | なし |
ユーザーごとの ファイル容量ストレージ |
16 GB | 4 GB | なし | なし |
*1. 月あたり Power Pages の各 Web サイトにアクセスするユーザーの数を予測し、それを満たす数のキャパシティ パック ライセンスを購入する必要があります。
備考
認証済みユーザーと匿名ユーザーのキャパシティ パックをユーザーに個々に割り当てる必要はありません。キャパシティは環境に割り当てます。
未使用のキャパシティを翌月に持ち越すことはできません。
補足説明
- 事前に購入する形式 (サブスクリプションと呼ぶ)
- アプリごとの Power Apps
ユーザーは、各アプリ容量ライセンスに Power Apps が割り当てられている環境の一部である 1 つの Power Pages Web サイトにアクセスできます。 - ユーザーごとの Power Apps ライセンス ユーザー
ユーザーごとに Power Apps ライセンスが割り当てられたユーザーは Power Pages Web サイトを無制限に使用できます。 - Dynamics 365 Enterprise ライセンス ユーザー
Dynamics 365 Enterprise ライセンスが割り当てられたユーザーは Power Pages Web サイトを無制限に使用できます。 これらの Web サイトは、ライセンスを取得した Dynamics 365 アプリケーション コンテキストにマップし、ライセンスを取得した Dynamics 365 アプリケーションと同じ環境にマップする必要があります。 - Power Pages 認証済みユーザー
ユーザーは、ユーザー/Web サイトごとに認証された Power Pages の容量が割り当てられた 1 つの Power Pages Web サイトにアクセスすることができます。 Web サイトにアクセスするユーザーにユーザーごとの Power Apps、または Dynamics 365 Enterprise ライセンスが割り当てられている場合、そのユーザーは Power Pages 認証済みユーザー/Web サイトの容量にカウントされません。
- アプリごとの Power Apps
- 従量課金制ベース
- Power Pages 認証済みユーザー
ユーザーは、従量課金制ライセンスが有効になっている環境に存在する Power Pages Web サイトにアクセスできます。
Web サイトにアクセスするユーザーにユーザーごとの Power Apps、または Dynamics 365 Enterprise ライセンスが割り当てられている場合、そのユーザーは Power Pages 認証済みユーザーの従量課金制メーターにカウントされません。
- Power Pages 認証済みユーザー
Power Platform のライセンスに関する FAQ – Power Platform | Microsoft Learn
制限付きテーブル
Dynamics 365 に関連するなどする特定のテーブルは「制限付きテーブル」として指定されます。その制限付きテーブルに対して、Power Pages やPower Apps のライセンスしか持たない非Dynamics 365 Enterprise ユーザーからのアクセスは制限されます。
例えば、Power Pages やPower Apps ユーザー制限付きテーブルにアクセスする場合、読み取り以外のアクセスが制限される場合があります。
読み取り以外の操作とは、作成、更新、または削除を指します。
読み取りだけの場合、Dynamics 365 アプリのライセンスは必要なく、該当する Power Apps や Power Automate のライセンスを持っていれば十分です。
制限付きテーブルの一覧はこちらです。長いのでクリックして開くことで確認できるようにしています。
テーブル | 論理名 | 必要なライセンス |
---|---|---|
実績 | msdyn_actual | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
契約ビジネス プロセス | msdyn_bpf_baa0a411a239410cb8bded8b5fdd88e3 | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
予約仕訳帳 | msdyn_bookingjournal | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
予約設定メタデータ | msdyn_bookingsetupmetadata | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 for Customer Service Enterprise Edition または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
予約タイムスタンプ | msdyn_bookingtimestamp | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
ケース 1 | インシデント | Dynamics 365 for Customer Service Professional Edition または Dynamics 365 for Customer Service Enterprise Edition または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
サポート案件から作業指示書ビジネス プロセス | msdyn_bpf_989e9b1857e24af18787d5143b67523b | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
構成 | msdyn_configuration | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
エンタイトルメント | 権利 | Dynamics 365 for Customer Service Enterprise Edition または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
見積行 | msdyn_estimateline | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
見積もり | msdyn_estimate | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
ファクト | msdyn_fact | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
Field Service の設定 | msdyn_fieldservicesetting | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
Field Service システム ジョブ | msdyn_fieldservicesystemjob | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
目標 | 目標 | Dynamics 365 for Sales Professional、 または Dynamics 365 for Sales, Enterprise Edition、 または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
在庫仕訳帳 | msdyn_inventoryjournal | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
請求書プロセス | msdyn_bpf_d8f9dc7f099f44db9d641dd81fbd470d | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
体験 | 行動 | Dynamics 365 for Marketing または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
サポート情報記事 | ナレッジ記事 | Dynamics 365 for Customer Service Enterprise Edition または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
組織単位 | msdyn_organizationalunit | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
製品在庫 | msdyn_productinventory | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
プロジェクト パラメーター | msdyn_projectparameter | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
プロジェクト ステージ | msdyn_bpf_665e73aa18c247d886bfc50499c73b82 | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
プロジェクト タスクの依存関係 | msdyn_projecttaskdependency | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
プロジェクト タスク | msdyn_projecttask | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
プロジェクト チーム メンバー | msdyn_projecteam | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
発注書ビジネス プロセス | msdyn_bpf_2c5fe86acc8b414b8322ae571000c799 | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
リソース割り当ての詳細 (廃止) | msdyn_resourceassignmentdetail | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
リソース割り当て | msdyn_resourceassignment | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
リソース制限 (廃止) | msdyn_workorderresourcerestriction | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
ルーティング規則セット | routingrule | Dynamics 365 for Customer Service Enterprise Edition または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
スケジュール ボードの設定 | msdyn_scheduleboardsetting | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
スケジュール パラメーター | msdyn_schedulingparameter | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
SLA | sla | Dynamics 365 for Customer Service Professional Edition または Dynamics 365 for Customer Service Enterprise Edition または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
システム ユーザーのスケジューラ設定 | msdyn_systemuserschedulersetting | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
トランザクション接続 | msdyn_transactionconnection | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
トランザクション発生元 | msdyn_transactionorigin | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
トランザクションの種類 | msdyn_transactiontype | Dynamics 365 for Project Service Automation または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
一意の番号 | msdyn_uniquenumber | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
作業指示書2 | msdyn_workorder | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
作業指示書の詳細の生成キュー (廃止) | msdyn_workorderdetailsgenerationqueue | Dynamics 365 for Field Service または Dynamics 365 Customer Engagement プラン または Dynamics 365 プラン |
Dynamics 365 のライセンスを必要とする制限付きテーブル – Power Apps | Microsoft Learn
その他
以前、Power Apps ポータルデプロイ時に消費していた、1ポータルサイトあたりDataverse データベース容量1GBの消費は廃止されました。Power Pages からデプロイした場合、データベース容量は消費しません。