この動画はYouTubeでの説明があります。
目次
はじめに – このシリーズの概要
Office 365にはPowerAppsが含まれていることをご存じでしたか?
最近、よく色々な方々から「PowerAppsに興味がある」、「開発の仕方教えてほしい」、「研究中」などの声をよく伺います。
そんなPowerAppsに興味のある方に向けて、基本的にOffice 365のライセンスの範囲内でどこまでアプリを作成できるか紹介してみたいと思います。
良ければこちらも: Power Apps の色々なプランをひと目で比較したい方へ贈る非公式なライセンス記事です。
Office 365 の色々なプラン
PowerAppsが付属するOffice 365 の「企業向け」のプランを以下に示します。
中小企業向け
- Office 365 Business Essentials
- Office 365 Business Premium
大企業向け
- Office 365 Enterprise E1
- Office 365 Enterprise E2
- Office 365 Enterprise E3
- Office 365 Enterprise E3 Developer
- Office 365 Enterprise E3 without ProPlus
- Office 365 Enterprise E5
- Office 365 Enterprise F1
これらのプランをご契約されている企業であれば、実はいずれのプランであってもPowerApps を利用することができます。
このシリーズでは、「実用的なアプリ」を紹介しながら、簡単に作成してみようと思います。
今ご覧いただいているこの記事は一連のシリーズの最初の記事です。全体を俯瞰したい方はインデックスページ(シリーズの全体説明)がありますのでご参考ください。
PowerApps の特徴とアプリ開発イメージ
Power Appsとは何か?
以下はPower Apps の開発画面です。カメラコントロールを挿入して、モバイルアプリのカメラに接続することもできます。
イメージとしては、PowerApps は画面を作成する使い勝手はPowerPointに似ています。
Power Apps は、簡単に言うとこんなツールです。
- 画面と動き(ロジック)を作れる。それもExcel関数レベルの「Low code」で。
- データにつなげることができる。(コネクター: API)
- 即座に運用環境として利用できる。
- Office 365の一部なので、Office 365ユーザは無料で使える(詳細は以下で)。
- データの保存先は基本的には外部サービスを使う。SharePointやOneDriveに置かれたExcelファイル、Dataverse など。
Power Apps は、画面やロジックを作るには長けていますが、基本的にはデータを保存する場所を別で用意する必要があるツールです。
PowerApps は画面を作成する使い勝手はPowerPointに似ているといいました。さらに似ているところとして、PowerPointの資料作成時に、元となるデータである表やグラフはExcelで作成してそれをパワポに貼り付けるケースもあるかと思いますが、まさにそんな構成がこの「表示するところ」と「保存するところ」が別れているイメージです。
プレゼンテーション層とデータベース層が別れている、おおよそそんな感じです。
つまりPowerApps を使って何かしらオンラインのサービスを提供しようと思うと、データの保存先をクラウドに用意する必要があるのですが、Office 365とは別にサービスを準備するのは追加コストがかかってしまいます。
そこでその制限をうまくくぐり抜けようと言うことで、このシリーズでは既存のOffice 365サービスの中に含まれている「データの保存場所にできるサービス」を活用して「追加ライセンスなし」をコンセプトにアプリ開発を試みようと思います。
Office ライセンスに含まれるサービス
改めて、それぞれのOffice 365プランには、どのようなサービスが含まれているのでしょうか?
Business Premium及びBusiness EssentialsというBusiness プランには、どちらもExchange、OneDrive、SharePoint、Teamsが含まれています。
一方、Businessプランより大企業向けのE1, E3, E5の「含まれるサービス」には、Exchange、OneDrive、SharePoint、Teamsに加えYammer、Stream(E5にはPower BI)が含まれています。
つまり、Exchange、OneDrive、SharePoint、Teamsであれば、PowerAppsが含まれるOffice 365プランにて共通して含まれているサービスということになります。
以下はどのプランにも共通で含まれるサービスです!
Office 365に付属するPowerAppsのライセンスの制約事項
Office 365に付属するPowerAppsのライセンスには、個別でサブスクリプションするPowerApps プランと異なる点があります。
そのポイントは以下の通りです。
- キャンバスアプリは作成できますが、モデル駆動型アプリは作成できません。
- PowerAppsポータルは利用できません。
- Standardコネクターのみ利用できます。
- オンプレミス データ ゲートウェイは利用できません。
- Microsoft Flowは利用することができます。
- Common Data Serviceは利用することができません。
キャンバスアプリやモデル駆動型アプリなど専門用語出まくりですが、こちらはとりあえずあまり意識しなくても良いです。別記事を御覧ください。
ここで知っておきたいのは、キャンバスアプリでデータソースは「SharePointあるいはOneDrive上のExcelなどを使えば、ライセンスの範囲で開発できること。」です。
続編
では実際に開発を進めましょう!続く。
次の記事:
インデックスページ(シリーズの全体説明):
良ければこちらも: PowerApps ライセンス早見表: