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Power Automate デスクトップ フローの保存場所及びエラーログ(実行履歴) のライセンス有無での比較

定義情報の保存場所の確認方法

Power Automate Desktopで作成したフローの保存先はOneDrive またはDatavese となります。

これは、利用しているアカウントが何かによって自動的に判定されます。

アカウント保存先
個人アカウント
(outlook.com, gmail.com など)
OneDrive
組織アカウント
(Office 365/Microsoft 365 企業メールアドレス)
Dataverse

個人アカウントの場合は個人のOneDriveに保存されますが、組織アカウントの場合はクラウド上のDataverse のテーブルに保存されます。

個人アカウントでのデスクトップフロー 定義情報の保存先

アプリ>Power Automate for Windows フォルダに定義情報が保存されています。

組織アカウントでのデスクトップフロー 定義情報の保存先

Dataverse のテーブルである プロセス テーブルに定義情報が保存されています。

実行履歴の確認方法

有償ライセンスがある場合

Power Automate Premium の有効なライセンスがあるユーザー、または環境が従量課金になっている場合では、Power Automate の作成者ポータルにてデスクトップフローの実行履歴である「デスクトップフロー実行」及び「デスクトップフロー活動」を見ることができます。

デスクトップフロー実行

デスクトップフロー実行画面は有償ライセンスのあるユーザーで開くことができます。

Dataverse のシステム管理者または環境管理者のセキュリティロールかつ有償ライセンスがあるユーザーであれば環境内の別のユーザーのフローを共有してもらう必要なく全フローの実行履歴を確認することができます。

従量課金環境ではライセンスのないユーザーでも実行履歴が保存される

無償版ユーザーでも、従量課金が有効になっている環境に接続をすることができます。

ランタイムアプリがインストールされている場合の挙動

ランタイムアプリがあるコンピューターでは無償版ユーザーの挙動が違いますのでご注意ください。

実際に無償ユーザーでの実行履歴は、環境自体が従量課金制の環境であればDataverse に保存されます。

エラーの場合スクリーンショットも確認できる

遠隔で支援したいときなど、エラーをスクリーンショットを含めて確認したいケースがあるかと思います。その場合は「デスクトップフロー実行」から辿ることができます。

こちらは有償ライセンスのあるユーザーのみの機能です。無償版ユーザーではデスクトップアプリまたはフォルダを見て確認する必要があります。

デスクトップフロー活動

デスクトップフローの活動はグラフ等で実行状況を確認できる画面です。

こちらも、無償版のユーザーの履歴は確認できません。有償ライセンスをもつユーザーの履歴を確認することができます。

Copilot に質問して説明させることもできます。

実行履歴が保存されている場所

有償ライセンスがあるユーザーまたは従量課金が有効になっている環境の場合

Datavese テーブルである「flowsession」テーブルにログ情報は保存されています。スクリーンショットは「workflowbinary」テーブルに保存されています。

デスクトップ フロー実行履歴データの削除 – Power Automate | Microsoft Learn

Content の列に実行履歴が保存されています。

json 形式で入っていることがわかります。

無償ユーザーの保存場所

クラウドにはそもそも保存すらされておらず、端末に飲み保管されています。従いまして権限があるかどうかの問題ではありません。

無償ユーザーの場合、実行履歴は実行した端末にのみ保管されています。

以下のフォルダに入っています。それ以下では、フロー IDで区切られて保管されています。

%userprofile%\AppData\Local\Microsoft\Power Automate Desktop\Console\Scripts

フロー ID の確認方法

フローID を確認するには、以下のように行います。

フローデザイナーにて該当するフローを開きます。

フローIDは詳細情報のタブに書かれています。

フローID と同じフォルダを探します。

無償ユーザーでかつ、従量料金の環境ではない場合、先程のフォルダ内に実行IDごとにフォルダ階層が切られ実行履歴がファイルとして出力されます。

実行IDごとに切られたフォルダ

実行履歴

Actions.log ファイルに実行履歴が保存されています。成功した場合はスクリーンショットは取られませんので、Binaries フォルダは空です。

{"name":"乱数の生成","systemActionName":"GenerateRandomNumber","systemModuleName":"Variables","localizedModuleName":"変数","inputs":{"generateMultipleNumbers":{"localizedName":"複数の数詞を生成","value":"False","variableName":""},"minimumValue":{"localizedName":"最小値","value":"0","variableName":""},"maximumValue":{"localizedName":"最大値","value":"100","variableName":""}},"outputs":{"randomNumber":{"localizedName":"乱数の保存先","value":"88","variableName":"RandomNumber"}},"startTime":"2023-12-14T09:28:00.7816234Z","index":1,"functionName":"main","insideErrorHandling":false,"endTime":"2023-12-14T09:28:00.8640679Z","status":"Succeeded","sourceType":0}
{"name":"変数の設定","systemActionName":"Assign","systemModuleName":"Variables","localizedModuleName":"変数","inputs":{"expression":{"localizedName":"値","value":"88","variableName":"RandomNumber"}},"outputs":{"variable":{"localizedName":"変数名","value":"88","variableName":"NewVar"}},"startTime":"2023-12-14T09:28:00.8961607Z","index":2,"functionName":"main","insideErrorHandling":false,"endTime":"2023-12-14T09:28:00.8977716Z","status":"Succeeded","sourceType":0}
{"name":"変数を大きくする","systemActionName":"IncreaseVariable","systemModuleName":"Variables","localizedModuleName":"変数","inputs":{"value":{"localizedName":"変数名","value":"93","variableName":"RandomNumber"},"incrementValue":{"localizedName":"大きくする数値","value":"5","variableName":""}},"outputs":{},"startTime":"2023-12-14T09:28:00.8977716Z","index":3,"functionName":"main","insideErrorHandling":false,"endTime":"2023-12-14T09:28:00.8977716Z","status":"Succeeded","sourceType":0}
{"name":"リストの内容を減らす","systemActionName":"SubtractLists","systemModuleName":"Variables","localizedModuleName":"変数","inputs":{"firstList":{"localizedName":"最初のリスト","value":"[1,2]","variableName":""},"secondList":{"localizedName":"2 番目のリスト","value":"[1]","variableName":""}},"outputs":{"outputList":{"localizedName":"差分を新しいリストとして保存","value":"[[1,2]]","variableName":"ListDifference"}},"startTime":"2023-12-14T09:28:00.8977716Z","index":4,"functionName":"main","insideErrorHandling":false,"endTime":"2023-12-14T09:28:00.9149873Z","status":"Succeeded","sourceType":0}

デスクトップフローの定義情報はRunDefinition.json ファイルに出力されています。

{"startTime":"2023-12-14T09:28:00.6784418Z","endTime":"2023-12-14T09:28:00.9315177Z","workflow":{"workflowId":"xxxxxxxx-619a-ee11-be37-0022480808d4","name":"ライセンスのないデスクトップフロー - ON","category":"RoboticProcessAutomationFlow","subcategory":"MicrosoftRPAScript"},"trigger":{},"status":"Succeeded","outputs":{},"runTrackingId":"xxxxxx-a288-44a7-ab35-b364b6765dbd","childRuns":[],"instanceApiUrl":"https://xxxx.api.crm.dynamics.com","upn":"NoLicAdm@xxxxxxx.onmicrosoft.com","isChild":false,"isEligibleForShipping":false,"hostName":"MISURFACE15","agentVersion":"2.38.00231.23307","sensitiveOutputNames":[]}

Binaries フォルダにはもしエラーになった場合に関してはスクリーンショットが撮られます。

スクリーンショットの取得を制御する

有償版での無償版でも、ストレージ容量の削減を行いたい場合、スクリーンショットの取得を制限することができます。レジストリに以下のレコードを入れることで防ぐことができます。

ハイブKey件名タイプ
HKEY_LOCAL_MACHINESOFTWARE\Microsoft\Power Automate Desktop\GlobalDisableScreenshotCaptureOnErrorDWORD

デスクトップ用 Power Automate のガバナンス – Power Automate | Microsoft Learn

無償版と有償版でのガバナンスの比較

ここまで来ると、無償版のフローでは実行履歴がコンピューターに閉じてしまっているので、多くの場合利用を開放するのが難しいかと思います。そこで、無償ユーザーの利用を制限する方法が用意されております。

個人アカウントでの利用制限

レジストリに以下のレコードを入れることで防ぐことができます。

ハイブKey件名タイプ
HKEY_LOCAL_MACHINESOFTWARE\Microsoft\Power Automate DesktopRestrictMSAAccountsSignInsDWORD

組織アカウント(無償ユーザー)の利用制限

レジストリに以下のレコードを入れることで防ぐことができます。

ハイブKey件名タイプ
HKEY_LOCAL_MACHINESOFTWARE\Microsoft\Power Automate DesktopRestrictNoLicenseOrgIDAccountsSignInsDWORD

以上、ご参考になれば幸いです。

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